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出張報告書に使えるテンプレート【例文付き】|主な記載事項、書き方のコツ

出張後の報告書は、その成果を確実に上司や同僚に伝えるための重要なツールです。また、経理から見ると出張旅費支出の証憑としての役割があります。しかし、いざ作成するとなると書き方が分からず、苦労される方も多いのではないでしょうか。
この記事では、出張報告書の作成に役立つテンプレートとその書き方のコツについて詳しく解説していきますので、ぜひご活用ください。

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出張報告書の基礎知識

出張報告書とは、出張先で行った業務内容や出張で得た成果を上司などに報告するための書類です。このセクションでは、出張報告書の意味と目的について解説します。これらの意味と目的を理解して、出張報告書への苦手意識を払拭し、スムーズに出張できるようにしておきましょう。

出張報告書とは?

会社の業務で出張した場合、会社にその内容の報告をする必要があります。その出張で何をしてどのような成果があったのか、上司や同僚に伝えるには文章で行うのが妥当です。出張した人しか知らない情報を同僚や同じチームンメンバーに共有する目的で作成されるのが出張報告書です。

しかしながら出張する全員が上手に文章を書けるわけではありません。そこであらかじめ出張報告書に必要な事項が網羅されたフォーマットを作り、書き方さえ決めておけば、だれでも効率的な報告が可能になります。

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出張報告書を作成する主な目的

出張報告書を書く目的について、もう少し掘り下げてみましょう。ここでは大きく3つの目的を説明します。

出張のコストに見合う成果を得られたか、会社が確認するため

出張にはコストがかかります。会社は出張に行った成果がコストに見合っているのかどうかを確認する必要があります。その確認がしっかりできているかどうかが管理会計上一つのポイントでもあるのです。出張報告書を書くことによって出張に行った社員の業務内容や成果物を確認しやすくなります。

社員に出張の振り返りをさせるため

出張報告書を書くことにより、社員自身が、その出張で成果が上げられたのかどうかを振り返ることができます。当初の目的は達成できたのか、今後改善できる点はないのかなどです。上司のアドバイスがあればなおさら効果は上がるでしょう。出張報告書は社員自身の成長にも役立ちます。

今後の業務に活かすため

社内で出張報告書は、他の社員が出張する際の参考資料になります。定期的に同じ場所へ出張する場合などでは前回の出張報告書を見返すことにより、次回の出張でより成果を上げるために活用できます。
出張先で得られた様々な情報、市場環境、顧客の動向、どのような会話をしたのか、また、交通事情等の情報は今後同じ出張先に出張する社員にとって情報を得る材料の一つとなります。
出張報告書を情報源として生かせば、無駄な準備を減らし、先回りした準備をすることもでき組織の生産性が上がっていきます。

出張報告書の主な記載事項【例文付き】

出張報告書にはどのような内容を書けばよいのでしょうか。何もひな形がない状態では思うように頭に浮かんでこないものです。ここではテンプレートに沿って、出張報告書に書くべき主な記載事項について例文付きでまとめてみましたのでご覧ください。

出張報告書

出張先

出張先の組織名・施設名を書きます。組織名・施設名だけで場所が不明である場合は、都道府県名・市町村名も付け加えましょう。

期間

出張に出発した年月日、帰着した年月日を記載します。年を西暦で書くのか和暦で書くのかはその会社や組織のルールに則ります。ルールがない場合は西暦で書いておけば後で分かりやすくなります。

目的

出張の目的を端的に分かりやすく書きます。

出張目的:
新サービス開始の案内、新商品○○○の紹介、新製品開発に向けての視察 等

内容

読み手が読みやすいように、まずどのような出張だったのかその概要を書きます。

出張者名:
○○○○(同行者)○○○○

出張先の概要:
○○株式会社○○○配送センターは主に地元産精肉の冷凍保存配送センターであり、○○方面のスーパーや大手小売店に対し、毎月○○トンの出荷を行っている地元の大手である。

次に、出張者の行動履歴を記載します。

行動履歴:
○月○日○時○分 ○○駅に同行者と集合 ○時○分発のぞみ7号にて新大阪へ
○月○日○時○分 ○○株式会社○○○配送センター着 担当者○○様と面会

最後に、成果を記載します。

成果:
担当者○○様に、社内プレゼンをもとに作成した営業用資料を差し上げて以下の順番でご説明した。
1)当サービスを開発するに至った経緯
2)当サービスの特長
3)当サービスを導入された場合の御社のベネフィット
4)当サービスを導入される場合のおおまかなスケジュール

上記順番で、世情や相手の事情も踏まえ、分かりやすく例示しながら丁寧に説明したところ担当者○○様は身を乗り出して話を聞かれ、何度も質問をするなど、終始大変興味を持たれている様子であった。特に3)のベネフィットについては何度も確認をされていた。帰着後お礼のメールを差し上げたところ見積もりの依頼をすでにいただいている。

所感

所感には、今回の出張で自分がどのように感じたかを書きます。自分が感じたことを事実として残すのが目的です。自分が感じたこととはいえ、同僚やチームメイトに共有するわけなので他の人の役に立つものになるよう心がけます。

所感:
○○株式会社○○○配送センターは非常に清潔で清掃が行き届いており社員教育がしっかりしている印象を受け、靴をそろえないなどいつもの癖が出ないよう気を付けた。担当者○○様は非常に○○について詳しく○○の国家資格も持っておられる方である。営業担当としてもしっかり勉強、事前準備をして臨む必要があると思った。

出張報告書を上手に書くコツ

出張後の報告書作成のことを考えると気が重くなりがちですが、工夫して上手に書けば、報告書作成の時間を短縮でき、完成度も高くなります。ここでは出張報告書を上手に書くコツについて解説します。

出張前に分かる範囲は先に書いておく

出張報告書は出張後にすべてを書くものと思っていませんか。よく考えてみれば出張前にすでに分かっていることがあるはずで、それらは出張前に時間を見つけて書いておけば出張後の手間を減らすことができます。例えば出張先や日時に関しては事前に決まっているので先に記入しておきましょう。出張の当日やそれ以降は十分に時間が取れなくなる可能性もあります。

出張時に気づいたことなどをメモしておく

報告書を書くことを前提に出張時に気づいたことをメモしておきます。地下鉄や電車での移動がある場合で行程をすべて書かなくてはならないのであればメモは必須ですし、何かの数値や、難しい固有名詞など正確に報告するためにもメモを忘れないようにしましょう。

出張から戻ったら時間を空けずに記入して提出する

行動の履歴や、所感は後で書くとしても出張を終えて時間がたつと思い出そうとしても思い出せない場合があります。出張から戻ったら時間を空けずにすぐに行動履歴と所感を書いてしまいましょう。

できるだけ数字を用いて具体的に記載する

出張先の概要や報告の対象となる事物を文字で表す際には、数字が重要になります。大きさ、広さ、重さ、量といった規模は「大変大きい」とか「ものすごく広い」などと表現せずに具体的に数字で表しましょう。先ほども挙げましたが、メモの用意が大事です。

誤字脱字がないように記入後に見直す

書き終えたと思ったら、必ず後で読み返すようにしましょう。Word等を使って書くことが多いと思いますが、パソコンに音読させる機能を使えば、「てにをは」の使い方やおかしな表現などを発見しやすくなります。

まとめ

出張報告書を書くことを負担に思っている人は少なくないと思います。しかし、フォーマットを作って書くことが決まっていれば、事前に準備しておくことができますし、報告書の作成を前提に出張中にメモをとっておけば、出張後はかなり楽、かつ報告書は高品質なものになります。

高品質な報告書を作成して同僚やチームメイトの役に立てれば報告書を書いた人の評価も上がることでしょう。ここにご紹介した出張報告書の書き方とフォーマットを活用して出張活動の効率を上げて下さい。

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監修 公認会計士 梶本 卓哉

Kajimototakuya

税務署法人課税部門(税務大学校首席卒業)、大手監査法人や大手投資銀行勤務等を経て公認会計士・税理士事務所開設。税務のみならず会計監査やIPO(新規株式公開)実務に強みを有する。