精算表の無料エクセルテンプレート|作成方法や効率化のポイント
精算表は、決算整理前の残高試算表をもとに、損益計算書と貸借対照表の作成をスムーズにする一覧表です。決算の流れを分かりやすくまとめてミスを防止し、財務状況を確認する役割があります。精算表は一から作ると手間がかかるため、無料でダウンロードできるテンプレートの利用がおすすめです。
本記事では、精算表の構成や書き方、効率化するポイントを解説します。
精算表の無料エクセルテンプレート
精算表とは、会計上の各勘定科目の残高を整理して、損益計算書や貸借対照表を作成するための一覧表です。1年間の取引や勘定をまとめたもので、決算で損益計算書や貸借対照表を作成するときに役立ちます。
ここでは、精算表を簡単に作成できる無料テンプレートをご用意しました。必要な項目が一通り揃っているため、精算表作成の手間を軽減できます。ぜひご活用ください。

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精算表とは?
精算表は、貸借対照表と損益計算書の記入ミスを防止するために作成します。ここでは、精算表の概要や作成目的について、詳しくみていきましょう。
決算手続きの流れをまとめた一覧表
精算表とは、残高試算表から決算整理仕訳を経て、損益計算書と貸借対照表を作成する一連の流れをまとめた表のことです。会計処理の最終段階で作成され、帳簿の誤りや記入漏れを確認する役割があります。
収益・費用・資産・負債・純資産などの項目をまとめ、決算時の会計情報を体系的に整理する形式となっています。
各勘定科目の残高を整理し、財務の状況を明確にすることで、正確な財務諸表の作成をスムーズにします。また、決算整理仕訳を反映させることで、利益や損失の計算も容易になり、経営判断や税務申告に必要な情報を効率的に把握できます。
精算表を作成する目的
精算表を作成する主な目的は、決算内容の正確性を担保することです。また、財務状況を確認する目的もあります。
決算のミスを防止する
精算表は、決算において貸借対照表や損益計算書への転記ミスや記入漏れを防止する目的で作成します。残高試算表の各勘定科目に決算整理仕訳を加え、調整後の残高を一覧化することで、転記漏れや計算間違い、不整合などの事前確認が可能です。
その結果、貸借対照表や損益計算書への誤った記載を防ぎ、正確な財務諸表作成をサポートします。決算作業の精度を高めるための重要な書類といえるでしょう。
財務状況を確認する
精算表は、会社の資産・負債・純資産・収益・費用の状況を整理した一覧表であり、財務状態を把握するための基礎資料として活用できます。
決算整理仕訳を反映した残高を一目で確認できるため、利益の状況や現金の流れなど、経営上の課題を視覚的に把握できるようになります。その結果、経営判断に役立つ情報を効率的に整理でき、迅速な意思決定につながるでしょう。
精算表の構成・書式
精算表には複数の書式があり、一般的に使われるのは「8桁精算表」と呼ばれる形式です。8桁精算表は、以下の4項目について、それぞれ借方と貸方に分けた計8列の記入欄が設けられています。
- 残高試算表
- 修正記入
- 損益計算書
- 貸借対照表
そのほか、「6桁精算表」や「10桁精算表」といった形式もあります。6桁精算表は、8桁精算表に含まれる修正記入欄が省略された簡易版です。一方10桁精算表では、8桁精算表の修正記入欄に加え、決算整理後残高試算表の項目が追加されています。
ここでは、8桁精算表をもとに、4つの項目について詳しくみていきましょう。
残高試算表
残高試算表とは、各勘定科目の残高(借方と貸方の差額)を一覧にまとめた表です。帳簿に記入した取引が正しく計算されているかを確認するために作成され、記入漏れや転記ミスをチェックする役割があります。
また、資産・負債・純資産・収益・費用などの勘定科目ごとに借方と貸方の金額が整理されており、正しく記帳されていれば借方と貸方の合計額が一致します。合計が一致しない場合は、仕訳や転記ミスを早期に発見できるため、迅速な修正が可能です。
残高試算表は、決算手続きの出発点となる重要な資料でもあります。残高試算表を作成することで、その後の決算整理仕訳や損益計算書、貸借対照表の作成がスムーズになり、財務状況の把握や経営判断にも役立ちます。
修正記入
修正記入の項目では、決算整理仕訳の内容を精算表に記入します。決算整理仕訳とは、損益計算書や貸借対照表を正確に作成するための最終調整用の仕訳です。決算対象期間中の帳簿にまだ反映されていない資産や負債、収益や費用の変動を反映させる役割があります。
一例として、未払いの光熱費や未回収の売上、減価償却費の計上などがあげられます。たとえば、12月に発生した電気料金が翌年1月に支払われる場合、決算整理仕訳で「未払費用」として計上することで、当期の費用に正しく反映させることが可能です。
修正記入の作業により、資産・負債・純資産・収益・費用の金額を適切に調整でき、帳簿上の誤差を修正するとともに、財務諸表の正確性を高めることが可能です。
また、当期純利益や純損失の計算も正確に反映され、貸借対照表と損益計算書の整合性が保たれます。
損益計算書
損益計算書とは、一定期間の収益と費用、その差額である利益をまとめた決算書類です。期間内の営業活動や投資活動の成果を反映し、会社の収益性や成長性を把握するための資料として活用されます。
収益や費用の内訳を詳細に整理することで、どの事業や部門が利益を生み出しているか、どの部分にコストがかかっているかを明確に把握できます。
さらに、売上構成や費用構造の分析を通じて、経営改善や資源配分の最適化、今後の戦略立案にも役立てることが可能です。また、投資家や金融機関に対する説明資料としての役割もあり、会社の健全性や成長の可能性を示す根拠となります。
貸借対照表
貸借対照表とは、期末時点における会社の資産・負債・純資産の状況をまとめた決算書類です。資産は現金や預金、売掛金、在庫など会社が保有する財産を示し、負債は買掛金や借入金など返済義務のある債務、純資産は株主資本や利益剰余金などの自己資本を表します。
貸借対照表を見ることで、会社の財務状況や資金のバランスなどを一目で把握でき、資産の運用状況や負債の返済能力、自己資本の充実度などを確認できます。
また、資金の過不足や、どれだけ効率よく利益を出せているかなどを把握できるため、経営判断や投資判断の材料として活用されます。損益計算書とともに、会社の信用力や経営の健全性を示す役割も果たす書類です。
精算表の書き方
精算表は、損益計算書や貸借対照表を作成するための基礎資料となり、決算処理の重要なステップです。作成は、次の手順で行います。
- 決算整理前残高試算表を作成する
- 決算整理仕訳を行う
- 損益計算書と貸借対照表の各項目を記入する
- 当期純利益を計算する
残高試算表と修正記入の合算結果は、各勘定の性質に応じて、以下のルールで該当欄に記入します。
| 勘定科目 | 金額がプラスの場合 | 金額がマイナスの場合 |
| 資産 | 貸借対照表の借方 | 貸借対照表の貸方 |
| 負債 | 貸借対照表の貸方 | 貸借対照表の借方 |
| 純資産 | 貸借対照表の貸方 | 貸借対照表の借方 |
| 収益 | 損益計算書の貸方 | 損益計算書の借方 |
| 費用 | 損益計算書の借方 | 損益計算書の貸方 |

ここでは、精算表の書き方について、順を追って解説します。
決算整理前残高試算表を作成する
精算表の作成は、まず決算整理前残高試算表を作ることから始まります。残高試算表には、各勘定科目の借方・貸方の残高が記載されており、帳簿の記入内容が正確であるかを確認する役割があります。
残高試算表を作成したら、金額を精算表の試算表欄に対応する借方・貸方の欄へそれぞれ転記します。

残高試算表の作成により、精算表上で各勘定科目の調整前の残高を整理でき、その後の決算整理仕訳や損益計算書・貸借対照表の作成がスムーズに進みます。正確な転記が、精算表全体の信頼性を高める重要なポイントです。
経理プラス:決算書作成に役立つ!残高試算表の作成方法とその他試算表との違い
決算整理仕訳を行う
精算表作成の次のステップとして、決算整理仕訳を行い、修正記入欄に記入します。損益計算書や貸借対照表を正確に作成するため、資産・負債・収益・費用の金額を調整する最終的な仕訳を行い、精算表の修正記入欄に反映させる作業です。
修正記入により、転記ミスや計算の誤差を事前に発見でき、正確な財務諸表作成の基礎が整います。修正後の残高を確認することで、決算作業全体の精度と効率が向上するでしょう。

損益計算書と貸借対照表の各項目を記入する
精算表の試算表欄や修正記入欄に記載された金額をもとに、損益計算書と貸借対照表の各項目を整理していきましょう。
まず、収益や費用に関する勘定科目は損益計算書欄へ転記し、期間内の利益や損失を明確にします。次に、資産・負債・純資産の勘定科目は貸借対照表欄に移し、期末時点での財務状況を整理します。

さらに、試算表の残高に決算整理仕訳を反映させることで、財務諸表の正確性と信頼性が高まるでしょう。
これらの作業により、精算表は損益計算書や貸借対照表の作成に必要な基礎資料となり、決算処理の精度向上にも役立ちます。
当期純利益を計算する
精算表の貸借対照表欄と損益計算書欄への転記が終わったら、まず借方と貸方の合計が一致しているか確認します。このチェックは、転記ミスや計算ミスを防ぐための重要なステップです。
損益計算書で差額が生じた場合、貸方の合計が借方を上回れば当期純利益となり、損益計算書の借方に記入します。

その後、算出した利益を貸借対照表の貸方に反映させます。反対に、借方の合計が貸方を上回る場合は当期純損失となり、損益計算書の貸方と貸借対照表の借方に転記します。貸借対照表と損益計算書の差額は、必ず一致させることが必要です。
当期純利益は、一定期間の会社の実際の利益状況を示す重要な指標であり、貸借対照表の純資産にも反映されます。このような一連の作業により、精算表を活用した正確な財務諸表の作成が可能となります。
精算表を効率的に作成するポイント
精算表の作成を効率的に行うためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、作業をスムーズに進めるための具体的なコツを紹介します。
期中に修正仕訳を済ませておく
精算表を効率的に作成するためには、期末を待たず、月次決算など定期的に修正仕訳を行っておくことがおすすめです。月次で仕訳や残高の確認・修正を行うことで、決算時に発生しやすい記入漏れや転記ミスを早期に発見できます。
また、各勘定科目の残高や収益・費用の状況を常に把握できるため、期末の精算作業が大幅に簡略化され、作業負担の軽減にもつながるでしょう。
月次決算で調整した情報は、精算表の試算表欄や修正記入欄への反映もスムーズになり、損益計算書や貸借対照表が、より正確に作成できるようになります。
こまめな確認と修正の積み重ねにより、期末の精算表作成を効率化できるでしょう。さらに、財務諸表の信頼性が向上し、経営判断に活用するための情報の質も高まります。
テンプレートを活用する
精算表を効率よく作成したい場合は、エクセルのテンプレートの活用もおすすめです。あらかじめ項目が整ったフォーマットを使い、自社仕様の計算式を入れれば、勘定科目ごとの金額を入力するだけで自動的に集計され、借方・貸方の金額チェックも簡単に行えます。
計算式があらかじめ設定されているテンプレートであれば、転記ミスや計算間違いを防ぎながら、精算表の作成精度を高められるでしょう。
また、データの修正や追加が必要になった場合でも、該当セルを書き換えるだけで全体に反映されるため、作業の手間を大幅に減らせます。過去の精算表をコピーして再利用することもでき、比較や分析にも役立つでしょう。
テンプレートを活用することで精算表の作成・管理がスムーズになり、決算業務全体の効率化にもつながります。
まとめ
精算表の作成は、正確な決算書を作るために欠かせないステップです。効率的に作成できれば、決算業務全体の質が向上します。
無料のエクセルテンプレートを活用すれば、項目の入力がスムーズになり、作業時間の短縮やミスの防止にもつながります。月次決算や期末作業にも役立つため、継続的に財務管理を改善したい企業にとって大きな助けとなるでしょう。テンプレートを上手に活用し、精度の高い精算表を作成してください。















