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領収書の無料エクセルテンプレート|主な記載項目とよくある質問
領収書は、ビジネス取引や個人取引において非常に重要な書類です。適切に作成された領収書は、経理処理や税務申告の際に欠かせない証憑書類となります。しかし、領収書を正確に記載しないと、後々のトラブルや税務調査で問題となることがあります。
本記事では、領収書の基本的な作成方法から、レシートや預り証との違い、インボイス制度に対応した領収書の発行方法までを詳しく解説します。また、領収書を作成する際の注意点やよくある質問にもお答えします。さらに、サイズ・タイプ別で5種類の便利な無料エクセルテンプレートも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
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領収書の基礎知識
領収書は、日常のビジネスや個人取引において非常に重要な書類です。ここでは、領収書の役割や法的根拠、レシートや預かり証など似た用語の違いについてご説明します。
領収書とは?
領収書とは、金銭の支払いを受けたことを証明する書類のことです。 これは商品やサービスに対し、お金を支払う側が確実に代金を支払ったことの証明になります。また、お金を受け取る側にとっても代金を受け取ったことの証明となり、双方の経理事務や税金申告に欠かせない書類です。
領収書は、法的に支払いの証拠として認められるため、税務調査などで重要な役割を果たします。
特に、フリーランスや個人事業主にとっては、確定申告の際に必要不可欠な書類となります。また、会社員の場合でも、出張旅費や会議の飲食費などを経費として精算する際に必須です。
民法第486条には「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」と規定されており、
お金を支払う側が領収書を求めた場合、お金を受け取る側には発行の義務があります。
領収書を発行することで、取引の透明性が確保され、不正行為やトラブルの防止に役立ちます。
領収書とレシートの用途の違い
領収書とレシートは、いずれも金銭のやり取りを証明する書類ですが、その用途には違いがあります。
領収書は主に「支払いの証明」として利用されます。
これは特に高額な取引や、宛名が必要な場合に使用されます。具体的には、取引の信頼性を確保するために、支払った金額や支払先の情報を詳細に記載する必要があります。
一方、レシートは主に「購入の証明」として利用されます。
レシートには発行日、金額、購入した内容、発行元などが記載されており、日常の小売りや飲食店で頻繁に使われます。レシートは経理担当者や税務職員が経費の正当性を確認する際にも有効です。
ただし、レシートでも支払いの事実が証明できる場合は、領収書としての役割を果たすことができます。これは特にレシートに詳細な取引内容が記載されている場合に有効です。
領収書と預り証の違い
領収書と預り証も、金銭の受け渡しに関する書類ですが、その用途と発行されるシーンに違いがあります。
領収書は、商品を販売したり、サービスを提供したりする際に金銭の支払いを受ける際に発行されます。これは、取引が完了したことを証明する書類として機能し、支払った側と受け取った側双方にとって重要です。
一方、預り証は、前金や内金、敷金、手付金など、商品の引き渡しやサービスの提供前に金銭を受け取る際に発行されます。 預り証は、取引がまだ完了していないことを示し、将来的な取引の一部として扱われます。 例えば、契約金の一部として前金を受け取った場合や、商品がまだ納品されていない場合に発行されます。
このように、領収書は取引完了後に発行されるのに対し、預り証は取引の途中段階で発行される点が異なります。いずれも金銭の受け渡しを証明する重要な書類ですが、そのタイミングと目的によって使い分ける必要があります。
領収書に関するよくある質問
領収書は、日々の取引や経費精算において欠かせない書類です。適切に発行・保管しないと、後々のトラブルや税務調査での指摘を受ける可能性があります。ここでは、領収書に関するよくある質問とその回答を用意したので、ぜひ参考にしてください。
宛名は空欄や「上様」でも良い?
宛名は領収書の重要な項目です。宛名を空欄や「上様」とすることは避け、正確に記入する必要があります。なぜなら、不完全な領収書は決算申告などの際に無効と判断されることがあるからです。具体的な宛名がない領収書を紛失すると、悪用されるおそれもあり、取引の証明力が低くなります。宛名が空欄のままでは、誰が支払ったかを証明できず、結果的に二重請求される可能性もあります。
特に高額な取引においては、宛名が正確に記載された領収書が必要です。これにより、税務調査や経費精算の際に支払った事実を明確に証明できます。また、宛名がしっかり記載されていることで、取引の信頼性も向上します。
レシートは領収書の代わりになる?
レシートも、領収書と同様に金銭の受け渡しを証明する書類です。 必要な項目が記入されていれば、レシートは領収書として使用することが可能です。 具体的には、レシートには以下の項目が含まれている必要があります。
- 発行日
- 金額
- 購入内容
- 発行元(店名や会社名)
これらの情報が記載されているレシートであれば、経費精算や税務申告の際に有効な証憑書類として認められます。ただし、高額な取引の場合は、宛名が記載された領収書の方が信頼性と有効性が高くなります。宛名付きの領収書は、取引の正確な証明として重要です。
クレジットカードの利用明細は領収書の代わりになる?
クレジットカードの利用明細も領収書の代わりとして使用できます。 クレジットカード決済時に「控え」として発行される利用明細書は、レシートと同じように、経費の支出を証明する書類として利用可能です。利用明細には以下の情報が含まれています。
- 取引日
- 金額
- 店舗名や会社名
- 購入内容(場合による)
これらの項目が記載されている利用明細は、経費精算や税務申告の際に有効な証憑書類となります。ただし、正式な領収書と比較すると、信頼性が劣る場合もあります。高額取引の場合は、クレジットカードの利用明細と合わせて、正式な領収書を発行してもらうことをお勧めします。また、クレジットカードの利用明細は後述のインボイスとは認められないことから、これだけでは仕入税額控除ができないことに留意する必要があります。
領収書の保管期間は?
領収書の保管期間は、法人と個人事業主で異なります。 法人の場合、法人税法により、確定申告の提出期限の翌日から数えて7年間の保管が義務付けられています。個人事業主の場合、所得税法に基づき、青色申告事業者は同様に7年間、白色申告事業者は5年間の保管が必要です。
また、会社法では、会社の帳簿や書類は10年間の保管が求められています。税務調査がいつ行われるかわからないため、領収書はできる限り長く保管しておくことが推奨されます。特に重要な取引に関する領収書は、法定の保管期間を超えても保存しておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
経理プラス:領収書の保管期間はいつまで?書類別の保管期間&電子保存のメリット
インボイス制度でどう変わる?
インボイス制度の導入により、領収書の発行や保管に関する要件が変わります。 インボイス制度に適応した領収書を用意することが必要となります。 具体的には、インボイス(適格請求書)の基準を満たした証憑書類が求められます。適格請求書とは、消費税の仕入税額控除を適用するために必要な書類であり、以下の情報が含まれている必要があります。
- 発行者の氏名または名称
- 発行者の登録番号
- 取引日
- 取引の内容(詳細)
- 取引金額(税込み)
- 税率ごとの消費税額
- 交付を受ける者の氏名または名称
これらの要件を満たさない領収書では、買い手側は仕入税額控除を適用できなくなります。 したがって、インボイス制度に対応した領収書を発行することが重要です。企業は、適格請求書の基準を満たすための内部システムの整備や、取引先への説明を徹底する必要があります。
経理プラス:インボイス制度で生じる経理実務の変更点とは?全ての法人がインボイス制度開始前に確認すべきこと
経理プラス:インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応したテンプレート
領収書の主な記載項目
領収書は取引の証明として重要な役割を果たします。正確に記載することで、経理処理や税務申告の際に信頼性の高い証憑書類となります。以下に、領収書に記載すべき主な項目について詳しく説明します。
領収書の日付
領収書の日付は、原則として売上代金を受け取った日の年月日を記入します。たとえ取引から数日遅れて発行する場合でも、発行日ではなく売上代金を受け取った日を書くことが重要です。この日付が正確であることで、取引の正確性と信頼性が確保されます。日付の書き方は、西暦・和暦どちらでも構いませんが、省略せずに書くことが推奨されます。例えば、「2024年6月24日」や「令和6年6月24日」といった形式で記載します。
宛名
宛名は、領収書の受取人を明確にするために非常に重要です。基本的には、代金を支払った人や企業の名前を正確に記入します。例えば、個人名や企業名を省略せずに正式名称で書くことが求められます。また、「宛名には会社名を書く」などと社内規程で定めておくと良いでしょう。これにより、宛名に関するトラブルを防ぎ、領収書の信頼性を高めることができます。
領収金額
領収金額は、取引金額を正確に示すために必要です。領収書には、金額を正確に記入し、改ざんを防止するための工夫が必要です。例えば、「\(円マーク)」または「金」を数字の前に記入し、3桁ごとに「,(カンマ)」を入れ、最後に「-(ハイフン)」や「※(米印)」を付けます。これにより、金額の改ざんを防ぎます。例えば、「\10,000-」や「金10,000円也」と記載します。
但し書き
但し書きは、取引の内容を具体的に示すために記載します。例えば、「商品代として」「サービス料として」など、取引内容を記入します。また、税務調査の際に経費として認められやすくするために、単に「品代」と書くのではなく、できるだけ具体的に記載することが重要です。例えば、「オフィス用品代として」「コンサルティング費用として」などと記載します。
発行者名(書類作成者の氏名または名称)
発行者名は、領収書を発行した個人や企業の名前を記載します。個人名や屋号、会社名を省略せずに書き、住所や電話番号などの連絡先も記載します。これにより、領収書に対する問い合わせがあった場合に迅速に対応できるようになります。例えば、「株式会社〇〇 代表取締役 田中太郎 住所:東京都〇〇区〇〇 電話番号:03-1234-5678」と記載します。
領収書をインボイスとして発行する際に必要な記載項目
インボイス制度に対応するためには、以下の項目を領収書に記載する必要があります。
- 発行者の氏名または名称
- 発行者の登録番号
- 取引日
- 取引の内容(詳細)
- 取引金額(税込み)
- 税率ごとの消費税額
- 交付を受ける者の氏名または名称
これらの項目を満たすことで、適格請求書として認められ、買い手側が仕入税額控除を適用できるようになります。具体的には、「登録番号:T1234567890123」「用税率:10%」「取引日:2024年6月24日」「取引内容:オフィス用品代として」「取引金額:¥10,000(税込)」「消費税額:¥909」といった形式で記載します。
出典:「適格請求書等保存方式の概要-インボイス制度の理解のために-」(国税庁)
領収書を作成するときの注意点
領収書を正確に作成することは、経理や税務において非常に重要です。不適切な領収書は、税務調査で問題となったり、トラブルの原因となったりすることがあります。ここでは、領収書を作成するときに注意すべきポイントを詳しく説明します。
領収書とレシートの両方は発行しない
領収書を発行する際には、既にレシートを発行していた場合、必ずレシートを回収する必要があります。 一回の取引に対して、領収書とレシートの両方を発行してしまうと、受け取る側が二重に経費精算を行う可能性があるためです。このような不正を防ぐためにも、どちらか一方を発行するようにしましょう。
例えば、レシートを発行した後に領収書の発行を求められた場合、レシートを回収し、代わりに領収書を発行します。この際、レシートを手元に残さないよう注意し、取引の証明は領収書一枚で行えるようにします。これにより、経費の二重計上を防ぎ、正確な経理処理を維持できます。
金額は改ざんされないよう「\」や「,」を付ける
領収書の金額は、改ざんを防止するために「¥」や「,」を付けて記載します。 例えば、「10000円」と書くのではなく、「¥10,000-」や「¥10,000※」といった形式で記載します。数字の先頭に「¥」を付け、3桁ごとに「,」を挿入することで、金額の改ざんが難しくなります。
また、金額の末尾に「-」や「※」を付けることで、後から数字を追加されることを防止できます。 例えば、「¥10,000-」と記載することで、10,000円であることが明確になり、これ以上の金額が加筆されないようにします。これにより、取引の正確性と信頼性を高めることができます。
税別50,000円以上の場合は収入印紙を貼る
領収書の金額が税別で50,000円以上の場合、収入印紙を貼る必要があります。 これは、印紙税法に基づくもので、金銭または有価証券の受取書に対して課される税金です。収入印紙を貼らない場合、罰則として過怠税が課されることがあります。
例えば、領収書の金額が50,000円以上の場合、適切な金額の収入印紙を貼り、さらに割印を押します。割印は、収入印紙と領収書本体の両方にかかるように押すことで、印紙の再利用を防止します。これにより、税法に従った正確な領収書を発行することができます。
なお、以下は、領収書に対する印紙税の金額を示した表です。この表は、取引金額に応じた必要な収入印紙の金額を簡単に確認できるようにまとめたものです。
領収書の記載金額 | 税額(収入印紙の金額) | |
---|---|---|
5万円未満 | 非課税 | |
5万円以上 100万円以下 | 200円 | |
100万円超 200万円以下 | 400円 | |
200万円超 300万円以下 | 600円 | |
300万円超 500万円以下 | 1,000円 | |
500万円超 1,000万円以下 | 2,000円 |
この表を参考にして、取引金額に応じた適切な収入印紙を領収書に貼付してください。
発行者だけが領収書の加筆修正を行える
領収書に加筆修正が必要な場合、それができるのは発行者のみです。 受取人が勝手に修正を行うことは認められません。加筆修正が必要な場合、発行者に依頼して正しく修正してもらうことが重要です。
例えば、金額や日付、宛名に誤りがあった場合、受取人が勝手に訂正するのではなく、発行者に連絡して新しい領収書を再発行してもらうか、訂正印を押してもらいます。これにより、領収書の信憑性を維持し、不正行為を防止することができます。訂正された箇所には二重線を引き、正しい内容を記載し、訂正印を押すことで、正式な訂正と認められます。
まとめ
領収書の作成は、正確な経理処理と税務申告のために非常に重要です。適切な領収書の作成と管理は、経理処理や税務申告において重要な役割を果たします。本記事では、領収書の基本的な記載項目から作成時の注意点、よくある質問への対応まで、幅広く解説しました。領収書を作成する際には、日付や宛名、金額、但し書き、発行者名などの項目を正確に記入することが求められます。
また、レシートや預り証との違いを理解し、適切に使い分けることも重要です。特に高額な取引や、インボイス制度に対応するためには、詳細な情報を含む領収書が必要です。本記事で紹介した無料エクセルテンプレートを活用すれば、手軽に正確な領収書を作成できます。これにより、取引の信頼性を高め、経理業務を効率化することができるでしょう。正しい領収書の知識を持ち、適切に活用することで、ビジネスの透明性と信頼性を高め、トラブルを未然に防ぐことができます。今後も領収書の作成と管理に注意を払い、健全な経営を目指していきましょう。