クラウド型とオンプレミス型 経理系システムに最適なのは?
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
日本は国内企業のうち約99.7%を中小企業・小規模事業者が占めていますが、中小企業でITを活用しているのは50%程度しかありません。
その現状も影響してか、政府は新成長戦略の一環として企業のIT活用推進をさらに促進すべく、2021年にはデジタル庁の新設を予定しています。今後ビジネス上のIT活用が必須となることに疑う余地はないでしょう。
今回は経理部門でのIT活用にフォーカスし、最適なシステムを選択できるようシステムの提供形態の違いから比較します。提供形態の1つが、ITベンダー等が提供する「クラウド型」のシステム、もう一つが、インフラを自社で管理運用する「オンプレミス型」のシステムです。「クラウド型」「オンプレミス型」のそれぞれの特徴を解説します。
クラウド型のシステムとは
クラウド型のシステムとはベンダーが用意したサーバーやシステム、アプリケーションなどを、ネットワークを介して利用するシステムのことを呼びます。サーバーやパッケージソフトなどの設備を自社で用意・保有せず、利用者は利用内容に応じて月額などで利用料を支払う仕組みです。そのため初期投資が少なく済み、安価に利用開始できるというメリットがあります。
最近はITシステムを新規導入する場合、最初にクラウドサービスの利用を検討する「クラウドファースト」という考え方がスタンダードとなっており、クラウド型システムを利用する企業が年々増えています。
日本政府も「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」の中で「政府情報システムはクラウドサービスの利用を第一候補にする」という基本方針(クラウド・バイ・デフォルト原則)を打ち出していますので、行政にならってクラウド型のサービスを利用する企業はますます増えていくと予測できます。
参考:政府CIOポータル 政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針
オンプレミス型のシステムとは
オンプレミス型(on-premise)のpremises(複数形)には、建物や構内などといった意味があります。つまり、オンプレミス型とはサーバーなどのIT設備を自社内やデータセンター内に設置し、ユーザー自身が管理運用する方式のことを指します。自社保有・自社運用が前提のシステムですが、15年ほど前まではオンプレミス型以外に自社用のサーバーや通信回線を設置する手段がありませんでした。そのためクラウド型のシステムが登場する以前は特別な呼び方がなく、クラウド型のシステムが登場したことで区別するためにオンプレミス型と呼ぶようになったのです。最大の特徴は、費用が許せば自社の事業や環境、業務フローなどに最も適したシステムを構築することができるという点です。
クラウド型とオンプレミス型のシステムの違い、メリットデメリットを比較
オンプレミス | クラウド | |
導入コスト | 高価 | 安価 |
月額コスト | 固定費 | 変動費 |
カスタマイズ | 自由 | 制限あり |
メンテナンス | 社内で対応 | ベンダーが対応 |
システムのサポート要員 | 社内に必要 | 不要 |
リモートワーク対応 | 比較的難しい | 比較的簡単 |
一般的なオンプレミスとクラウドの違いを一覧にすると上の図表のようになります。ここでは、経理系システムの場合について簡単に比較しておきます。
オンプレミス型システムのメリット
オンプレミス型は導入コストが高いものの自社仕様にカスタマイズしやすいという特長があります。また、維持費は固定費として計上しやすく、無形固定資産として貸借対照表に計上され、減価償却を通じて費用化できるなどのメリットがあります。
オンプレミス型システムのデメリット
社内のサーバーにデータを置き社内ネットワークや専用回線上で作業を行うため、さまざまな制約があります。たとえば、法改正への対応やバージョンアップが容易ではない、メンテナンスに時間を要す、システムのサポート要員が必要になるなどです。また、在宅や移動中の作業が難しいため、リモートワークを進める際には障害となる可能性もあるでしょう。
クラウド型システムのメリット
クラウド型はオンプレミス型と比べて導入コストが安く導入しやすいです。
また、ベンダー側でアップデートを行うため常に最新のソフトやシステムを利用することができます。たとえば会計ソフトだと法改正(消費税や軽減税率など)の対応も簡単になります。銀行口座やクレジットカードなどとのデータ連携も容易でしょう。何よりシステムのサポート要員が必要ありません。
ほかにも、インターネットにアクセスして作業を行えるため、自宅のパソコンはもちろん通勤途中にスマートフォンやタブレット端末から操作することも可能となります。
クラウド型システムのデメリット
使用料を支払いながら使用するサービスのため、導入後も毎月一定の維持費がかかります。また、メンテナンスのスケジュールはベンダー側の都合で行われます。そのため、メンテナンススケジュールを考慮しながら業務を進める必要がありますが、一般的には営業時間外の深夜や年末年始などの閑散期での作業になることが多いため特に大きな問題はないでしょう。
最適なシステムの選び方
クラウド型とオンプレミス型の違いと、それぞれのメリットとデメリットについて述べましたが、経理系システムで最も一般的な、会計システムについての選び方をご紹介します。
会計システムには仕訳入力や試算表作成、各種帳簿や決算書の作成に加え、債権管理機能、管理会計機能、請求書作成機能、経費精算システムのような機能がついているシステムもあります。
ただし、機能が多ければ良いというわけではありません。自社にとって必要な機能がついているかどうかしっかり吟味しましょう。
一例としてクラウド型とオンプレミス型を選ぶ際の4つの選定基準をご紹介します。
1.費用対効果
まず、重要なのは費用対効果です。企業がシステムを導入際には発生するコストに見合った効果があるかが判断基準の1つとなります。そのため、システム導入費用が安く、業務の効率化が実現できるシステムを選ぶことが重要です。クラウドシステムは初期費用が安いため、高い費用対効果を見込むことができるでしょう。
2.メンテナンス・アップデート対応
経理は業務の特性上、税制改正などの法改正に沿って業務を行う必要があります。そのため、改正された制度に抜け漏れなく対応することが必要です。クラウド型の場合はITベンダーが対応をしますが、オンプレミス型の場合は、社内でメンテナンスやアップデート対応が必要なため、タイムリーな対応ができるのか、またその人員を割けるかという点も考慮しましょう。
3.システム間連携の可否
システムを選ぶ際には他システムとの連携のしやすさも選定基準の1つとなります。他システムとの連携ができない場合、一度データを出力して加工した後に他システムに取り込むなどの作業が発生します。そのため、転記ミスが発生し修正をしたり、ダブルチェックをしたり、無駄な作業が発生してしまいます。社内の既存システムへの連携可否、また銀行など社外のシステムへの連携可否を確認することが重要です。
4.保守・災害対応人員の有無
メンテナンス・アップデート対応と似ていますが、社内でシステムを構築するオンプレミス型の場合、システムに対する知識を持った運用保守担当者を確保する必要があります。障害対応や災害時のシステム復旧など、タイムリーな対応が求められる場合もあります。クラウド型の場合はITベンダーが運用保守、障害対応を行うケースが多いため、オンプレミス型と比較して稼働人員は少なく済むでしょう。自社のリソースの兼ね合いを見て判断しましょう。
まとめ
クラウド型のシステムとオンプレミス型のシステムはそれぞれにメリット・デメリットがあります。システム選定時は2つの違いを理解すると同時に、自社の置かれている環境や事業内容、組織の規模などの個別事情を考慮することが重要です。その上で、前述した4つのポイントを参考に最適なシステムを検討してみてはいかがでしょうか。
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より