実務に役立つ!経理管理職が読むべき本と部下に読ませたい本9選
経理職は高い専門知識と実務能力が必要とされる、会社の心臓部と呼ばれる部署です。そんな経理の管理職には部下の実務能力を高めるため、適切な指導や職場の環境改善が求められます。今回は経理の管理職が読むべき本、そして部下に読ませたい本を合計9冊ご紹介します。
経営者目線で経理を考える!管理職向けのビジネス書4冊
経理の管理職であれば部外の関係機関と接する機会も多いはず。経営者の目線で自社を評価したり、タイムリーな経済関連の話題について意見を求められたりする場面もあるでしょう。また、経理の仕事は担当者が黙々と行う作業が多いからこそ、管理職の部下に対する目配りが大切です。部下一人ひとりが会計人として誇りを持ち、間違いを隠ぺいしない正直な仕事ができるよう、管理職が指導をしなければなりません。
まずは管理職向けのビジネス書として、経理管理職に必要な知識を習得するため、あるいは部下の人間指導や職場の環境づくりに役立つ本をご紹介します。
稲盛和夫の実学―経営と会計
- 著者:稲盛和夫
- 出版社:日本経済新聞社
- 出版年:2000/11/7
日本航空の再生を支援した、京セラ名誉会長・ディーディアイ名誉会長の稲盛和夫氏による著書。
本書は世界で74万部を発行したベストセラー(2015年8月末現在、京セラ調べ)です。
経営と会計という似て非なる両者を、確固たる知識と経験に基づいて結び付け、「経営に役立つ会計とはどうあるべきか」という視点で書かれた経営者目線で会計を見られる1冊です。
会計人として正しい経理を行ううえで欠かせない、使命感を感じることのできる貴重な書となっています。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方
- 著者:佐藤 航陽
- 出版社:幻冬舎
- 出版年:2017/11/30
お金や経済の仕組みから、仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミーなど、現在のテクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」について解説された本。お金の価値と資本主義の将来について考えさせられる、管理職なら一度は読んでおきたい一冊です。
なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか
- 著者:ロバート キーガン、リサ ラスコウ レイヒー
- 出版社:英治出版
- 出版年:2017/8/9
本書では「失敗を隠す」「組織の問題を感じても上下関係や肩書が気になって指摘できない」など、弱さを隠そうとする「もう一つの仕事」が現代の組織に蔓延しており、それに膨大なエネルギーが費やされていることを指摘しています。
しかし本来であれば、弱さや失敗は隠さず周囲にさらけ出すことで意見をもらい、そこから社員一人ひとりが成長するもの。そして、それが会社の成長となるはずです。本書では、そんな組織やチームをつくりたいビジネスパーソンへのヒントが詰まっています。自分のチームは、果たして失敗を隠す組織になっていないか。部下を見つめ直すきっかけになる1冊です。
小さな会社でもできた! 働き方改革 残業ゼロの労務管理
- 著者:望月 建吾、木村 純一
- 出版社:第一法規株式会社
- 出版年:2018/2/15
200件を超える企業で成功した、「残業ゼロの労務管理」の取組みを行ってきた特定社会保険労務士による著書。「残業ゼロだなんて、大企業ならまだしも、小さな会社では無理」といった、これまでのイメージを変えるノウハウが詰まっています。時代は労働時間の削減に向かって一直線。部下を持つすべての管理職に贈る、現場指導の参考にしてもらいたい1冊です。
管理職に読んでもらいたいリーダー論2冊
続いて、部下を持つすべての管理職に読んでもらいたいリーダー論に関わる本をご紹介しましょう。リーダーのアプローチ1つで、あなたの部下の未来が変わるかも知れません。
結果を出すリーダーほど動かない
- 著者:山北 陽平
- 出版社:フォレスト出版
- 出版年:2017/9/8
著者は株式会社アタックス・セールス・アソシエイツのコンサルタント。本書では、部下の行動を変えるための「壁マネジメント」が提唱されています。
この「壁マネジメント」とは、リーダーが動かない壁となり、部下に必要な行動をやりきらせるというメソッドです。「部下が思うように成長しない」「部下が変わると同じような成果が出せない」という管理職に、部下育成のために読んでもらいたい1冊となっています。
優れたリーダーはみな小心者である
- 著者:荒川 詔四
- 出版社:ダイヤモンド社
- 出版年:2017/9/22
世界最大のタイヤメーカーである、株式会社ブリヂストン元CEOの著書。優れたリーダーと言えばリーダーシップがあり、時に大胆な決断ができる人物を指すように思われるでしょう。しかし本書はその逆で、内向的で繊細な人物の方が、優れたリーダーになる可能性を秘めているとしています。
細かいことが譲れず、つい指導してしまう。そのくせ周りの反応が気になって仕方なく、「こんな弱い自分はリーダーに向いていないのではないか…」などと自信を失くすことはないでしょうか。本書はそんな管理職の方々に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。
部下に読ませたいスキルアップ専門書3冊
最後は、部下の実務能力を向上させるための著書です。本を読むことで、自分では気づけなかった視点に出会えることを教えてあげましょう。
1分間決算書
- 著者:木村 俊治
- 出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 出版年:2017/5/29
決算書の見方について1分間で見る場合、または5分・30分・60分と所要時間で分けて解説。決算書を簡易的に見る力から、専門的に見る力までを段階的に鍛えてくれます。決算書を作成する経理担当者と、決算書を外部から見る投資家との両方の視点が得られる貴重な内容です。
また、ROEやPBRなど専門用語の解説も網羅されています。そのため初級者はもちろん、上級者までカバーするおすすめの1冊です。
小さな会社の経理・人事・総務がぜんぶ自分でできる本
- 著者:北川 知明
- 出版社:ソシム
- 出版年:2016/12/19
中小企業では、経理と人事を同じ部署で行う会社があるでしょう。本書は中小企業の要となる経理・人事・総務の事務手続きについて完全網羅されており、初心者必見のノウハウが満載です。たとえば、いまさら間違えられないマイナンバー対応要領なども攻略されているため、机に忍ばせておくと安心できる1冊です。
東大首席が教える超速「7回読み」勉強法
- 著者:山口 真由
- 出版社:PHP研究所
- 出版年:2017/6/3
著者は東大首席の元官僚弁護士。「7回読み」勉強法とは、「7回読めばだいたい覚える」というメソッドです。
嘘のような話ですが、これが意外と納得できる内容となっています。しかも通勤時間など、ちょっとした時間で実践できる手軽さも魅力でしょう。勉強する機会の多い若手社員に対し、モチベーションアップに向けて紹介しほしい1冊です。
まとめ
経理管理職におすすめしたい9冊の本をご紹介しました。ご自身の知識習得はもちろん、部下育成のためにも活用できるものまでご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。まだ読んだことのない本があれば、ぜひ手に取ってみてください。経理の管理職として、信頼や成長を得られるきっかけとなるはずです。
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