経理プラス読者にテレワーク実施状況を緊急調査!阻害要因は社長?
今般、感染が拡大している新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に、心よりお悔やみ申し上げますとともに、影響を受けられた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、企業は急速なテレワーク対応を求められています。しかしすべての企業がすぐにテレワークを始めることは難しく、テレワークを行っている企業においても出社する必要があるなど課題が残ります。今回は、「経理プラス」のメールマガジンを登録いただいている方を対象に実施した、テレワークに関するアンケート調査の結果をご紹介します。
アンケートにご協力くださった「経理プラス」読者の皆様、誠にありがとうございました。
調査概要
調査方法: インターネットアンケート
調査期間: 2020年4月20日~24日
対象者 : 「経理プラス」メールマガジン登録者
回答数 : 571名
8割が出社余儀なく、「週5日以上出社」が3割と最多
調査時点でのテレワーク実施状況を問う項目では、全体の79%が出社していることがわかりました。その中でも「週5日以上出社している」という回答が全体の28%と最も多く、「経理プラス」読者の多くが、テレワークが推奨される期間も出社を余儀なくされていることがわかりました。
(図1※)設問「お勤め先での現在のテレワーク実施状況を教えてください(n=571)」の回答
また、テレワーク実施状況を地域別に見てみると、「週5日以上出社している」と回答したのは4月7日に緊急事態宣言を出された7都府県では18%なのに対し、その他の道府県では54%という結果となり、緊急事態宣言が出された時期によってテレワーク実施状況に大きな差があることがわかりました。
(図2※)設問「お勤め先での現在のテレワーク実施状況を教えてください」の回答
緊急事態宣言が先行して発令された7都府県とその他道府県での比較
※「お勤め先でのテレワーク実施状況を教えてください」という問いに対する「自部署を含め全社的にテレワークを実施している」「全社的にテレワークを実施しているが自部署は週に1~2日出社している」「全社的にテレワークを実施しているが自部署は週に3~4日出社している」「全社的にテレワークを実施しているが自部署は週5日以上出社している」という回答結果を集計したグラフです。「全社的に出社している」という選択肢が設定できておらず、他の選択肢が選ばれた可能性がございます。誠に申し訳ございません。
出社の主な理由は紙・ハンコも、決算業務や振込処理など経理ならではの業務も障壁に
週1日以上出社している回答者に出社理由を尋ねたところ、「郵便物の発送・受取のため」という回答が最も多く、また「押印が必要なため」、「業務で紙の書類を使うため」という回答も多くあげられました。
紙を使う業務としては「紙で来た経費精算書の確認・承認」、「証憑書類の原本チェック」などがあげられたほか、「決算業務」や「振込処理」といった経理担当者ならではの業務を理由に出社していることがわかりました。
郵便物については特に取引先からの請求書の受け取りが多く、取引先との兼ね合いによりテレワークを徹底しきれないという課題が見えてきました。その他にも、「そもそも持ち出し用のPCがない」、「会計システムが会社にあるPCからしか使えない」といったIT環境に関する理由もあげられました。
9割が「平時でもテレワークできる体制が必要」と回答も「テレワークできる」の回答は3割以下のみ
「平時でもテレワークができる体制が必要だと思うか」という質問に対しては、全体の93%が「必要だと思う」と回答しました。しかし「平時でもテレワークができる体制になっている」という回答は26%にとどまり、多くの「経理プラス」読者が平時のテレワークを必要と考える一方で、まだ実現できていないことがわかりました。
平時でもテレワークができる体制については、全体の26%が「できるようになっていないが現在できるように準備・検討している」、34%が「今後検討したい」と回答し、多くの「経理プラス」読者が今後のテレワーク推進に前向きであることがわかりました。
(図3)設問「あなたのお勤め先・部署では平時(緊急時以外)にテレワークができる体制になっていますか(n=571)」の回答
テレワーク推進の阻害要因は社長の方針やテレワーク推進者の不在という声も
「あなたのお勤め先・部署で、テレワークを推進することの一番の阻害要因は何にあると思いますか」という質問に対しては、出社の理由としてもあげられた「紙文化」「ハンコ文化」に関する回答が多くあげられました。
また、「社長の方針」や「テレワーク推進者の不在」に関する回答も多数あり、「経営陣がテレワークの必要性を感じていない」「テレワーク推進者がいないし、推進するムード自体がない」「設備、意識、方針が揃っていない」という声が聞かれました。
さらに、「経理のテレワークはセキュリティの面から言って現実性は少ないと思う」「会社自体はテレワークを推進しており、他部署はほぼ出来ている。経理のみが紙の帳票が多く押印するというシステムが残っている」という、経理のテレワークの難しさを感じる声も聞かれました。
テレワークは今後国が推進していく働き方でもある
現在は新型コロナウイルス感染症の影響で急速なテレワーク導入が求められていますが、そもそもテレワーク導入は働き方改革の一環でもあり、今後推進されていく取り組みの一つです。
これまで、特に中小企業においてはテレワークの導入があまり進んでいませんでしたが、今回の緊急事態宣言に伴う急速な対応で、環境が整えば多くの業種・業態でテレワークを実施することは可能であることがわかってきました。新型コロナウイルス感染症の流行が収束した後も、政府はテレワークの推進を続けていくと考えられます。
たとえば厚生労働省や東京都はテレワーク環境整備のための助成金を設けているほか、導入支援相談やコンサルティングも受け付けています。テレワーク推進には、テレワーク環境整備に対して消極的な経営者や上司に対し、そういった情報を提案してみるのも一つの手です。
経理プラス:経理のテレワークを検討中の方必見!厚労省や東京都の助成金情報
今後主流になってくるのはクラウドサービス
またテレワークができない理由の中には、「会社のPCでしか使えないソフトウェアがある」「セキュリティに不安がある」という回答もありました。
今まで、会計ソフトなどはオンプレミス型というPCにインストールして利用するものが主流でした。オンプレミス型にはセキュリティ対策をしやすいというメリットがある一方で、インストールされたPCでしか利用できないというデメリットがあります。しかしクラウドサービスは、インストールが不要でインターネットに接続できる機器であれば利用できるため、テレワークが普及していくなかで、今後主流になっていくことが予想されます。最近のクラウドサービスはセキュリティ面も、暗号化通信やIPアドレス制限等しっかりと対策が取られています。またインストールするオンプレミス型とは違い、クラウドサービスは定期的なアップデートにより最新の機能を使うことができます。
取引先への支払いをデジタル化するクラウド型経費精算システム「楽楽精算」
経理業務の中でクラウドサービスが活用できる業務は多々ありますが、今回はその中からクラウド型経費精算システム「楽楽精算」をご紹介します。
テレワークで外出自粛中となると、出張や取引先へ移動した交通費などの精算は減るかもしれません。しかし、そんな中でも必ず発生するのは「取引先への支払い」です。
通常時であれば、担当者は取引先から送られてきた紙の請求書と取引内容を、指定のフォーマットに記載して経理へ支払依頼をします。そして経理担当者は承認されたものを精算処理し、銀行へ行って振込手続きをする必要があります。
クラウド型経費精算システム「楽楽精算」はそんな手続きをシステム上で完結することができます。
まず担当者は請求書をPDFデータで受領し、そのデータをクラウド型経費精算システムに添付します。あとは取引内容を入力して支払依頼申請をするだけです。経理担当者もクラウド型経費精算システム上に請求書が添付されているため、その内容を確認しながら処理を進めることができます。銀行への振込も、クラウド型経費精算システム上で全銀フォーマットのFBデータを作成できるため、インターネットバンキングで簡単に振込手続きができます。
支払先マスタや毎月発生する定額支払いのマスタを設定しておけば、都度入力する手間も削減することができます。クラウド型経費精算システムを活用することでテレワークに対応するだけでなく、作業自体を効率化することができるのです。
まとめ
「経理プラス」読者の皆さんのテレワーク実施状況に関する調査結果をご紹介しました。
短い期間にもかかわらずアンケートにご協力くださった「経理プラス」読者の皆様、誠にありがとうございました。
緊急事態宣言後も大多数の方が出社している一方で、90%以上がテレワークできる体制の必要性を感じています。しかしテレワークを実現するには、現実問題として業務における紙やハンコの必要性、IT環境、会社の方針やテレワーク推進者の不在など、さまざまな障壁があることがわかりました。
今後も「経理プラス」では、経理やバックオフィス部門の最新動向を調査し、現場の皆さんに役立つ情報を発信していきます。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より