契約書の印紙の貼り方、割り印の押し方

すべての契約書に印紙が必要なわけではない

契約書とは、契約の当事者が、契約の成立があったことを明らかにするために作成する文書のことをいいます。すべての契約書が印紙税の課税対象となるのではなく、契約書のうち、印紙税法別表第一の課税物件表に掲げられているものが、印紙税の課税対象となります。
例えば、「不動産売買契約書(第1号文書)」や「工事請負契約書(第2号文書)」などが印紙税の課税文書です。

 

契約書の印紙の金額と貼る位置は?

印紙の金額は、その文書の種類とその文書に記載されている金額に応じて、異なります。
具体的には、課税物件表の第1号~第20号文書に対して課税されます。したがって、第何号文書に該当するかの判定(所属の決定)が重要であり、まず、考えなければなりません。

また、請負契約書などは、契約金額や記載された金額によって印紙税の金額が変わってきます。そのため、その文書に記載された契約金額(記載金額)をどのように算定するかも重要なポイントとなってきます。ここでの記載金額とは、契約金額、受取金額など、その文書により証されるべき事項に係る金額(契約金額等)としてその文書に記載されている金額をいいます。

印紙税の課税物件表は、国税庁のホームページでも公表されていますので、いろいろ考えるよりも、一度課税物件表を見るとわかりやすいでしょう。なお、印紙を貼るときに、貼る位置までは定められていませんが、通常は契約書の表紙や契約書の一枚目の上部などに明瞭にわかるように貼付します。
(参照元:国税庁HP 印紙税の手引き

 

契約書の印紙に消印をしましょう

印紙税の対象となる文書を作成したときは、原則として、その文書に印紙税相当額の収入印紙を貼り付ける方法で印紙税を納付します。法令上は「自己又はその代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名で、その課税文書と印紙の彩紋とにかけて、判明に印紙を消す必要があります」とされています。

そのため、単にペンで「印」と表示しただけでは印紙を消したことにはなりません。斜線を引いても同じです。あくまで印章を押したりや署名をしたりしなければ、印紙を消したことにはなりません。

また、消印が印紙にわずかにかかったようなだけでは、消印できていないとされることもあります。税務調査で、消印がされていないと判断された場合には、印紙税を納税していないものとしてペナルティを課せられる可能性もありますので、注意してください。
なお、消印は、法令上「自己又はその代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名」で行うこととされています。そのため、契約の当事者が会社であるときは会社の印鑑や、会社の従業員の印鑑なども割り印に使うことができます。また印鑑がないときは署名でも大丈夫です。
(参照元:国税庁HP 印紙税の手引き

 

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ホッチキスで止めるだけでは不十分。契約書は袋とじ製本すべき理由

契約書等を作成したとき、単にホッチキス止めをしていただけでは改ざんされてしまう可能性があります。改ざん等を防止するため、契約書は袋とじ製本しておくことが望まれます。

袋とじ製本は、契約書の左端をホッチキス止めし、さらに市販されている製本テープ等を利用して覆います。製本した契約書の表面と裏面の左端に契約の当事者がそれぞれ割り印をしておけば、仮に契約書を分解して改ざんしようとしてもわかってしまうので、安心です。なお、印影がわかるように白色の製本テープを使用しておくとよいでしょう。

 

収入印紙を貼った契約書の保管方法

収入印紙を貼った契約書は、契約書管理台帳を作成し、契約の種類毎にファイルを作成し、一定期間保管しておきましょう。税務調査があった際には、保管している契約書も調査の対象となります。そのとき、印紙税の課税対象であるにもかかわらず、収入印紙が貼られていない、もしくは貼っていても消印されていないようなときは、印紙税が未納付であるとしてペナルティを課される可能性がありますので注意してください。

 

印紙を使わずに済む方法はあるの?

印紙税は定められた文書を作成したときに収入印紙を貼る方法により納税をする必要があります。通常、契約書は2通作成し、当事者がそれぞれ保有することとなります。このような場合は印紙税の対象となる文書が2通となるため、それぞれに収入印紙を貼らなければなりません。しかし、1通の原本のみを作成するのであれば、1通のみに収入印紙を貼ればすみます。例えば、同族会社のオーナーが、その同族会社との間で契約書を作成するような場合は、実質的な当事者は同一なので、契約書を1通作成するだけでも済むことがあるでしょう。また、最近では電子契約書のようなものもあり、そのような場合には印紙を貼付する必要はありません。

 

まとめ

契約書は契約内容に応じて印紙税の課税対象となるかどうか、印紙税の金額が異なります。また、契約書という名目ではなかったとしても、文書の内容が実質的に契約書と同等と認められるものについては、契約書として印紙税がかかります。また、契約書以外にも印紙税が課税される文書はありますので注意してください。

 

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● 著者

松本 佳之

松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士 1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。2005年公認会計士三次試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。