減価償却とは?計算方法や注意点など知っておきたい基本を徹底解説

減価償却とは?計算方法や注意点など知っておきたい基本を徹底解説

会計処理をする際に必ず触れるものとして「減価償却」があります。資産の購入や確定申告のときには頻繁に登場しますが、従前の処理をそのまま流すだけで、実際には減価償却の詳しい仕組みを理解できていない方もいるのではないでしょうか。今回は、減価償却の概要や計算方法と計上の仕方、確定申告での流れなどについて解説していきます。

減価償却とは

減価償却とは、事業・業務のために用いられる建物や機械装置、車両運搬具などの資産を使用可能な期間(耐用年数)で分割し、必要経費として配分するものです。減価償却される資産は、基本的に年数の経過によって価値が減るものを指しており、「減価償却資産」といいます。そのため、土地など年数が経過しても価値が減らないものは減価償却の対象にはなりません。

減価償却に関係するもの

減価償却資産として扱う主な資産には、次のようなものがあります。

 資産区分内容
建物、建物付属設備事業用建物、消化設備、電気設備、給排水衛生設備、ガス設備など
構築物コンクリート・ブロック・レンガ敷、アスファルト敷、防壁など
車両・運搬具、工具自動車、フォークリスト、プレス機など
器具・備品事務机、応接セット、複写機、電子計算機(パソコン含む)など
機械・装置食品製造設備、プラスチック製品製造設備など

電気設備や給排水衛生設備なども償却資産となるため、事務所のリフォームも減価償却の対象となります。また、複写機やパソコンなどのAO機器も償却資産となりますので、買い換えなどの際には注意が必要です。

なお、償却資産の中でも次の要件に該当するものは、取得した年度で経費とすることが可能です。

  • 使用可能期間が1年未満のもの
  • 取得価額が10万円未満のもの
  • 取得価額が10万円以上20万円未満の場合は要件により一定の範囲内で経費計上が可能
  • 令和4年3月31日までに取得した10万円以上30万円未満の資産は要件により一定の範囲内で経費計上が可能

減価償却を行う理由

使用可能期間が1年以上で10万円以上の資産は、なぜ償却資産としなければならないのでしょうか。

資産を購入したときには、現預金からの支出があるわけですが、その全額を取得した年に経費として計上すれば、その年は著しく利益が減少する可能性があります。実際の経営上の利益が資産計上によって不透明になってしまう恐れがあるのです。適正な利益判断をするために、高額になりがちな資産は償却資産として使用可能な期間=耐用年数で分割して経費計上するという仕組みになっています。

経理プラス:「減価償却を徹底解説!4つの計算方法や自己金融効果を理解しよう」

減価償却の方法

減価償却をするためには、次のようなポイントについて理解しておく必要があります。

・耐用年数
・定率法と定額法
・中古資産の計上
・少額減価償却資産の特例

耐用年数について

耐用年数とは、償却資産の使用可能期間のことであり、資産によって税法上の法定耐用年数が定められています。企業や店舗にて使用される主な器具や備品などの耐用年数は次の通りです。

 償却資産細目耐用年数
家具、電気機器、ガス機器等事務机、事務椅子、キャビネット(金属製)15年
応接セット(接客業用)5年
音響機器5年
事務機器、通信機器パソコン(サーバー用を除く)4年
複写機、タイムレコーダー5年
電話設備(デジタルボタン電話など)6年
看板・広告器具看板、ネオンサイン3年

たとえば、パソコンの法定耐用年数は4年となっていますので、4年間に分割して減価償却を行います。耐用年数について、下記の記事もご覧ください。

経理プラス:「減価償却とは?資産ごとに異なる耐用年数」

定額法と定率法

減価償却の方法には、「定額法」と「定率法」の二つがあります。

  • 定額法は取得の年から耐用年数の最後の年までの分割計上を定額にするもの
  • 定率法は、取得の年から耐用年数の最後の年まで定率にするもの

定額法は基本的に毎年同じ額で計上しますが、定率法は年が経過するごとに計上額は少なくなっていきます。

経理プラス:減価償却まるわかり!「定率法」と「定額法」の違いと計算方法

中古資産の計上について

中古資産を購入するケースもあるでしょう。この場合、法定耐用年数の考え方は異なります。法定耐用年数はあくまで「新品時」を想定しているものであるため、中古資産の場合の耐用年数は短くなることに注意しましょう。

少額減価償却資産の特例について

中小企業(従業員1,000人以下、資本金1億円以下の事業者)の場合、取得価額が30万円未満の償却資産を取得したタイミングで一括で減価償却費として計上できる「少額減価償却資産の特例」制度が適用されます。

参考:国税庁 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

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● 著者

渡部 彩子

渡部 彩子

自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門を経験。この経験を活かし、経理・総務・人事をテ ーマとしたコンテンツ制作を幅広く執筆。