若手経理担当者が考えておくべき経理業務の将来

若手経理担当者が考えておくべき経理業務の将来

経理の仕事は、今後、必ずや大きな変革を迎えます。単純作業はコンピュータが行うようになります。経理担当者に求められる能力は入力スピードや精度だけでなく、ITリテラシーや経理以外の専門知識も求められるでしょう。そのために若手経理担当者が今からしなければならないことはどういったことでしょうか。今回は、若手経理担当者が考えておくべき経理業務の将来について書いてみたいと思います。

予想される将来 ―経理業務自動化と経理アウトソースの普及―

クラウドサービスを用いた経理業務自動化の時代がやって来る!

経理は、単調で地道な作業をコツコツとこなさなければいけないため、自動化の実現が最も望まれる領域でした。パソコンの浸透、いわゆる「IT化」によって人々の生活は便利になりました。経理業務の世界でも自動化の波が始まり会計帳簿や経費精算といった様々な分野で自動化が進んでいます。今後この流れは加速し経理作業を人の手で行う機会はどんどん減少していくでしょう。
現在は、会計帳簿では、「freee」や「MFクラウド」、経費精算では「楽楽精算」、請求書作成では「楽楽明細」及び「misoka」といった様々なクラウド型の経理業務自動化のサービスが登場し、浸透してきています。
これから経理担当者には、既存のフローから経理業務をどのように自動化するかといった業務改善を計画し実行する力が求められます。

本格的な経理アウトソースの時代がやって来る!

かつて経理職といえば、正社員ではなく派遣社員やパート・アルバイトによって人材を確保していることがよくありましたが、近年は派遣社員に対しての法的規制の強まりを受け、経理業務そのものを外部にアウトソースする企業が増えています。経理という仕事を担当する部署そのものを社内にはおかず、まるごと外部の経理専門企業にアウトソーシングする企業もあります。本社や事業所の所在地に制約を受けず、遠方から業務を担当するというスタイルでの形態が今後は増えていくのではないかと予想されています。
これから経理担当者には、マネジメントの能力も求められるようになるでしょう。これまで社内で行っていた業務をマニュアル化する作業、アウトソース先に業務の指示を出し進捗管理するなど、人を動かす力が必要になります。

交通費・経費精算システム「楽楽精算」 交通費・経費精算システム「楽楽精算」

 

若手経理担当者がしなければならないこと

変化していく「経理」に乗り遅れないために経理担当者が今から行っていきたい事項をお伝えします。

ITリテラシーを高める ―ITを追いかけるのではなく、ITの導入を提案する側に―

経理業務の合理化が進んでいきますが、そのほとんどはITを活用した合理化です。経理担当者の皆さんは、「新しい技術やサービスが出た時に、今のやり方に固執せず取り入れることで業務改善される余地がないかゼロベースで考えてみる」、「日頃から様々なサービスに触れておくことで、新たなソフトにスムーズに移行できるように訓練しておく」といった形で、積極的に経理業務にITを導入していく側にいることが求められます。導入することが決まってから後追いで知識を付けるのは大変です。単純作業で暗いイメージの経理から、先進的な業務改善を会社に提案できることはとても大きなバリューとなるでしょう。

経理に捉われない幅広い知識を身に付ける! ―財務、法務など、活躍の場を増やす―

今後、経理業務の自動化とアウトソースが進むと社内で行う経理業務は縮小していきます。その様な環境下においては、経理担当者は「経理」という業務に捉われず、予算管理や資金調達を行う「財務」の知識はもちろんのこと、給与計算や社会保険手続、登記対応といった幅広い知識が必要とされます。そのため、常にブログやtwitterで最新の情報を収集するとともに、読むべき本を適切にピックアップし継続的な学習と読書を行っていかなければなりません。経理以外の知識を付けて活躍できる分野を増やすことは、必ずや自分自身の価値を高めキャリア形成の可能性も広げてくれます。

最後に

経理の仕事は極めようとすると奥深く専門性の高いものです。しかし、個々人の能力や資質が無関係で単純作業である部分も多くあることから、コストセンターと認識され、経理アウトソースや自動化がますます加速していきます。経理担当者は、経理業務の将来を想像してより専門性の高く付加価値の出せる知識を蓄積するとともに、業務領域と業務知識の幅自体を広げいくことで、さらなる活躍ができるようになります。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

著 者 公認会計士 服部 峻介

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北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

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