従業員不正撲滅シリーズ ‐経費の虚偽申請

従業員不正撲滅シリーズ ‐経費の虚偽申請

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

個人的支出の接待交際費精算に始まり、架空旅費の申請や切手の横領等、不正の種類を考えると枚挙にいとまがありません。

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では、程度の大小、頻度の多少を問わずなぜ不正は発生してしまうのでしょうか?
今回は、会社規模を問わず必ず発生する経費精算業務から、不正の要因を分析しつつその対処方法をお話します。

 

不正を起こす3要素 ~経費の虚偽申請を引き起こす要因~

不正の発生要因を理解するにあたって、3要素からなる「不正のトライアングル」という考え方があります。この3要素について理解すれば、人がなぜ不正を犯してしまうのかという「心」の謎に迫ることができます。
それではこの3要素について見ていきましょう。

不正の「機会」がある

「機会」とは、不正行為の実行を可能ないし容易にする客観的環境のことです。
「請求業務と入金業務を同一の人物が担当している」、「上司による証憑類のチェックが形骸化している(中身も確認せずに判子を押すだけという状況)」といった状況が挙げられます。
不正が出来ない職場環境をつくらなければ、不正はなくなりません。

不正の「動機」がある

「動機」とは、不正行為の実行を欲する主観的事情のことです。つまり、自分の望み・悩みを解決するためには不正行為を実行するしかないと考えるに至った心情のことです。「ギャンブルに多額のお金をつぎ込んでしまった」「給与や待遇に不満を持っている」等が挙げられます。

不正を「正当化」できる

「正当化」とは、不正行為の実行を積極的に是認しようとする主観的事情のことです。つまり、自分に都合の良い理由をこじつけて、不正行為を「仕方がなかった」と思い込む感情のことです。「一時的に借りただけであり、いずれ返すつもりだった」「家族を経済的に守るためには他に方法がなかった。」等の身勝手な言い訳が、これにあたるでしょう。

具体的な事例にあてはめてみると、2014年6月に話題になった「NNK釧路放送局に勤務する30代の技術職の男性職員が出張旅費を不正に請求し停職3カ月の懲戒処分」となった事件がありました。
このケースだと、

 ・不正の「機会」がある…出張旅費精算のチェック体制が甘かった
 ・不正の「動機」がある…給与水準に満足していない
 ・不正を「正当化」できる…「他の人もやっている」という軽い認識

と「不正のトライアングル」が見事にあてはまってしまっています。

 

不正の具体的対処法~経費の虚偽申請を無くす効果的手法~

では、不正を防止するためにはどの様な対処法があるのでしょうか?
今回は個別対処法の前提となる3つの活動についてお話します。

啓蒙活動

健全な企業活動に不可欠な倫理感、規律心、遵法精神の向上を促すような啓蒙活動を社内で行い、普遍性、道徳性を伝えます。

・具体的な対処法
経営者自らコンプライアンスの重要性を社内訓示し続けるとともに、朝礼や週次会議等で定期的に「不正は必ず発覚し、処罰される」という認識を伝え続けることが重要です。

統制活動

業務権限及び職責を明確にし、各担当者が権限及び職責の範囲において適切に業務を遂行する体制を整備していくことです。

・具体的な対処法
承認のチェック者を増やすことに加えて、「申請承認の責任者は誰か、承認後の支払いは誰が行うか」という各種業務分担の役割と責任の明確化を行うことが重要です。

監視活動

啓蒙活動や統制活動が継続的に行われていることを自己点検し日常的にモニタリングすることです。

・具体的な対処法
「承認者とは別のチェック実施者を設ける」、「日常的にモニタリングを行い、決められた申請手続きの下、適切な運用が行われているか」など、啓蒙活動や統制活動が継続的に行われて「不正に対する具体的な対処」が効果を発揮しているか確認することが重要です。

経費の虚偽申請撲滅のために

経費精算の稟議体制が確立していない場合には、個人的な支出を経費として請求したり、
架空の請求書を作成して会社に請求したりと経費の虚偽申請が発生します。最近、経費申請業務をIT化することで業務の効率化や労働コストの削減に加えて、上述の「不正のトライアングル」を経ち内部統制に役立てようという取り組む企業もあります。

虚偽申請による不正を防止するためには、経費の事前申請制度や支払報告書による承認制度を確立することに加えて、経費精算業務のIT化によってもたらされるメリットを最大限活用することも重要です。
不正の3要素を断つための体制を確立し、その運用を継続的に確認していくことが必要となります。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 公認会計士 服部 峻介

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北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

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