経理担当者の出世スキルとしての財務分析

経理担当者の出世スキルとしての財務分析

経理部門の仕事は、財務諸表(P/L,B/S)を作ることです。経営者は、その財務諸表を閲覧し、経営上の課題を発見し、経営活動に活かすことが求められます。しかしながら、経営者は必ずしも財務の専門家ではないため、自社の財務諸表から経営上の課題を発見できるとは限りません。
そこで経理担当者に求められることは、経営者に代わって財務諸表を分析し、経営者へ経営課題の提案をすること(さらには、自ら改善策を提案すること)です。
本記事では、そのため用いられる手法の1つである財務分析と、財務分析スキルの習得方法について紹介します。

財務分析は、経理担当者が経営者と対等に議論するための強力な武器となる

経理担当者向けのビジネス書で「ダメな経理担当者は職人のように経理だけを極めようとする。できる経理担当者は社長に近づこうとする。」と書かれているのを見かけます。つまり、経理担当者が出世するためには、経理業務の知識を深めるだけではなく、経営目線で仕事ができるようになることが重要であるということでしょう。

しかしながら、事業運営の経験のない経理担当者が経営者と同じ目線で物事を考え、経営者と対等に話をするのは簡単なことではありません。事業運営の経験に代わる経理担当者特有の付加価値を発揮することが必要です。

そこで、経理担当者が経営者と対等に議論ためのスキル(武器)として、財務分析を習得することをおすすめします。

財務分析を習得すると、こんな付加価値を発揮できる!

経理担当者が財務分析スキルを習得することにより、業務において次のような付加価値を発揮することができます。

  • 経営者に対して経営課題と改善策を提案できるようになる
  • 銀行の融資判断に関する理解が深まり、銀行担当者との折衝スキルが高まる
  • 上場企業のIR業務等において、投資家にとって分かりやすい説明ができるようになる
  • 各事業部の課題が見える化でき、事業責任者やスタッフから重宝される

いかがでしょうか?
経営者の立場からすると、会計や税務の知識に精通する経理担当者が上記のような付加価値を発揮してくれることほど心強いことはありません。社内外での自分の価値を高めるために、是非財務分析スキルの習得を目指してみてください。

財務分析スキルを習得するための3ステップ

財務分析スキルを習得するための3ステップを紹介します。

1.簿記の基礎知識の習得

まず、日商簿記3級レベルの知識を習得しましょう。財務分析には必ずしも簿記(決算書を作成するスキル)は必要ありませんが、ここを理解できているか否かが、財務分析指標の理解度に大きな影響を与えます。まずはしっかりと簿記の基礎知識を身に付けましょう。

2.財務分析の基礎知識の習得

次に、財務分析の概要、各指標に関する基礎知識を習得しましょう。習得の方法として、書籍を読む方法と専門学校等で学ぶ方法があります。知識の習得だけであれば書籍を読むだけで足りますが、専門スクールでは実際に使える生きた財務分析を学ぶことができるためオススメです。

3.財務分析の実践トレーニング

他のスキルでも同じですが、知識を有していることと、実際に使えることの間には大きな隔たりがあります。その隔たりを超えるために、実践トレーニングの場を設ける必要があります。優秀な方であれば実務でトレーニングしながら習得することが可能かもしれませんが、簡単なことではありません。費用はかかりますが、高いレベルでの財務分析スキル習得を目指して実践トレーニングをしてくれる専門スクールに通ってみることをオススメします。

オススメの書籍

【基礎】TAC証券アナリスト1次対策総まとめテキスト財務分析』

【基礎~実践】グロービス経営大学院『MBAアカウンティング』

【実践】大津広一『企業価値を創造する会計指標入門』

オススメの専門スクール

【基礎】TAC通信講座『財務分析入門』

【実践】グロービス・マネジメント・スクール『アカウンティング基礎~応用』

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

著 者 堀 直之

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2007年4月、大和証券SMBC株式会社(現 大和証券株式会社)に入社し、IPO・M&A等のアドバイザリーを担当する投資銀行部門にて、主に製造業セクターの事業法人への財務アドバイザリー業務に携わる。 2012年3月、株式会社アイスタイルに入社し、経理業務のほか、海外子会社の設立・管理、M&Aその他投資業務、マザーズから東証一部への市場変更等の幅広い業務に携わる。2013年7月、株式会社もしもに入社し、取締役として主に経営企画・管理部門を統括。