経理の本当の仕事は報告にあり!?会計報告や決算報告のポイントを解説

経理の本当の仕事は報告にあり!?会計報告や決算報告のポイントを解説

経理の仕事の価値とはなんでしょうか。正しく処理をすることでしょうか。正しく処理をすることは、経理を行う上で当然行う最低限の仕事であり、それだけでは誰も価値を感じてくれないでしょう。経理が行う仕事の本当の価値は、実は会計報告にあります。今回は、そんな会計報告や決算報告についてのポイントをご紹介していきます。

決算報告の場で必ず伝えなければならないことは?

経理をする人にとって最も大変な時期は、決算の処理を行う時期です。1年間を通した会計処理の見直しや、決算の際に確認すること(現預金残高や棚卸資産等)、さらに決算処理(減価償却や引き当て金の確認等)などもあります。

しかし、この決算処理を迅速、かつ正確に行うことは最低限のことであり、経理を行う者として重要なことは、この決算を経営者に報告することです。

そこで、まずは経営者への決算報告の場で伝えなければならない内容を確認していきましょう。

(1)当期の損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書

決算の報告ですので、当期の会社の利益を示す損益計算書(PL)と、資産と負債の状況を示す貸借対照表(BS)、そしてキャッシュ(現預金)の流れを示すキャッシュフロー計算書(CF表)を見ていきましょう。

(2)三期分の期間比較ができるBS・PL・CF表

(1)だけを見せたとしても、経営者は「だから何?」という感じでしょう。ですから、これらの財務諸表を期間比較していきます。

  • 今期の利益は前期あるいは前々期と比べていくらになっているのか
  • その利益の変動の要因は、売上なのか費用なのか。費用であるならば、どの項目が増減したのか
  • 資産と負債の増減はどうなっているのか。また、その増減の要因はどの項目にあるのか
  • 前期や前々期と比較してキャッシュの増減はどうなっているのか。また、その増減の要因はどの項目にあるのか

などは、期間比較を行うと分かりやすいですね。

(3)税額はいくらか

経営者の一番の関心事は税額です。税額の計算は、経理を行う人とは別に、税理士に外注しているケースが多いかもしれません。

しかし、経理を行う者として、「どの時期にいくらの税額が発生するか」は必ず把握しておく必要があります。(逆に、税額についての細かい計算方法などについては説明する必要はありません。)今回の決算の結果としてどれだけの税額が発生し、納付の期限がいつなのかを報告してください。

(4)来期以降の確認事項

当期の決算報告は、どうしても「過去」の話にばかりなってしまいます。それだけではなく、来期以降の「未来」の話をすることで、今後起こり得ることに備えることができるようになりますね。

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定期的な会計報告もできていますか?

先ほどは、決算時の報告について確認してきましたが、決算時以外の時でも、1~3ヶ月に1度は会計報告を行うことが重要です。この定期的な会計報告についても、基本的には決算時と同じ内容です。

(1)当期の損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書

当期の期首から報告時点までの数字を示す財務諸表を確認していきましょう。

(2)期間比較ができるBS・PL・CF表

こちらは、月次推移損益計算書(月ごとの売上や費用を表したPL)を準備して、月ごとの比較をしたり、報告時点までの数字を昨年の同時期の数字と比較した場合にどうなっているのかを確認しましょう。

(3)次回の報告までのお金の動き

次の報告までの期間までに発生するであろう税額や、特別な支払い事項はあらかじめ経営者と共有しておきましょう。

経営者に「気づき」を与える会計報告がベスト!

さて、これまで決算時や定期的な会計報告について、その内容を中心に具体的にお話してきましたがいかがでしたか。

経理は、数字を集計することだけが仕事ではありません。財務的な視点から経営者に「気づき」を与えることこそが本当の仕事です。

ですから、会計報告を通じて、経営者が読めない数字を説明してあげてください。具体的には、BSとCF表です。特に、「利益はあるのにお金がない」という場合に、CF表を使ってどこにお金が流れているのかを説明してみてください。

経理の仕事自体は誰でもできることが多いです。しかし、会社の数字について経営者に気づきを与えられる人はなかなかいません。このように会計報告を行うことで、経理としての自分の価値を高めてください。

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