インボイス方式導入で免税事業者が受ける影響とは?インボイス方式の背景や概要、導入のヒント

消費税増税にともなって、税率10%と、税率8%の負担がわかれる軽減税率が導入されようとしています。これを仕入れや輸出入に適用しようとすると、正確な仕入税額控除額が必要となります。この情報を記載したインボイスを売上側の課税事業者が発行する仕組みが、EUが先駆者となって行っているインボイス方式です。インボイス方式によって、免税事業者が排除されてしまうと言われています。理由は、インボイスによる仕入税額控除です。それを排除して、公正な競争が行われるためには、何が必要なのでしょうか。

 

インボイス方式とは?

インボイス方式とは、EUで主に採用されている仕入れ税額控除の方式のことです。売上で受け取った消費税から、仕入れで支払った消費税額を引いて、納付する方式をいいます。これによって、結果的に、最終消費者が消費税を負担することになるのです。消費税は、課税売上にともなって預かった消費税から、仕入れで支払った消費税を差し引いた額を納税する仕組みになっています。インボイス方式とは、その時に登録された事業者が発行したインボイスに記載された消費税額に基づき、計算をする仕組みです。インボイス方式は、インボイスがないと仕入税額控除ができませんので、販売する側は、インボイスを仕入れる側に交付する義務が発生します。

インボイスとは、販売における商品ごとの消費税率・付加価値税率と税額が書かれた納品書や請求書のことです。インボイスには、EU理事会指令226条で記載事項が決定されており、以下の通りに記載します。

  • インボイスの発行日
  • インボイスを特定するための通し発行番号
  • 課税事業者のVATID番号(課税事業者登録で与えられる個別の識別番号)
  • EU域内取得により、顧客が納税義務を負う場合の顧客のVATID番号
  • 課税事業者及び顧客の完全な氏名・社名及び住所
  • 販売したものの数量と商習慣上の名称または役務の提供とその範囲
  • 資産の譲渡日または役務の提供及び完成の日付、前払金の受領日
  • 税を含まない単価、非課税及び課税売上ごとに区分した課税標準額
  • 適用税率
  • 簡素化規定が適用される場合を除き、付加価値税額
  • 税務代理人が納税義務者である場合、税務代理人の完全な氏名、住所並びにVATID番号

こういった必須事項をもって、消費税を預かっていることを証明し、仕入税額控除に必要な消費税の額を表すのです。税率が複数になる軽減税率などの制度のある国では特に必要な書類になることでしょう。

 

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免税事業者への影響は?

EUのインボイス方式は、日本の請求書の保存方式と似通ってます。ですが違いがあり、それは課税事業者に課税当局への登録義務があるということです。それによって登録番号を付与されますので、インボイスに記載します。免税事業者は、インボイスを発行することができないのです。仕入側にとっては、免税事業者から仕入れた製品は仕入税額控除の対象となりません。つまり、仕入れで同じ商品を購入しても、課税事業者から仕入れるのと、免税事業者から仕入れるのとでは、税額の分だけ利益に差がでるのです。ですので、インボイス方式を採用すると、小規模な免税事業者がマーケットから排除されてしまいます。日本では、免税事業者も請求書を発行できるので、仕入側も免税事業者から仕入れた商品に対して仕入税額控除を行うことが可能です。

 

免税事業者がインボイス方式を導入できない背景

インボイス方式を導入する際に、課税事業者の登録制度を採用しなければ、免税事業者を排除しなくて済むのです。日本で複数税率が導入されようとしているので、正確な消費税の転嫁や正確な仕入税額控除を行うためには、インボイス方式は必要です。課税事業者の登録制度を採用しない、日本版インボイス方式の導入であれば、マーケットから免税事業者が排除されなくて済むのではないでしょうか。

 

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