読み手が喜ぶ「伝わる」資料作成術-CFOを目指す経理担当者のためのスキルアップ講座-

「要するに何が言いたいのですか?」
「もう少し分かりやすく説明してください」

あなたは職場の上司や先輩にこのようなことを言われたことはないでしょうか?
かくいう筆者も顧客に説明するための資料が分かりにくいと上司に厳しく指導された経験が多くあり、その度に悔しくて先輩社員が作成した資料と自分の資料を比較したり、資料作成法に関する本を買い漁っては勉強していました。
本記事では、主に経理業務の中で作成する資料を意識しながら、「伝わる」資料作成のコツを紹介いたします。

 

「社内資料は手を抜いて作っていい」はウソ!?

「社内資料なのに、なぜ手間をかけて作成する必要があるのですか?」

社内資料の作成に手間をかけるべきではないと考えている人は多いと思います。

筆者も最近まで同じことを思っていましたが、短時間で資料の意図が理解できる分かりやすい資料を作成することが重要なシーンが多くあることが分かってきました。

分かりやすい資料がコストを削減し、収益を生む!

例えば、あなたが会議の場で分かりやすい資料を用意することができたら、参加者はいつもより早く内容を理解することができ、会議時間が短縮できたり、参加者が会議終了後に誤った行動をとってしまうことが少なくなります。つまり、分かりやすい資料は、相手の時間を節約し、無駄なコストを削減することにつながります。

また、とりわけ会議の参加者が忙しい経営者である場合、節約した時間で別の仕事に手をつけることができ、新たな収益を生む可能性が十分にあります。

あなたが作成する資料次第で、相手の時間を節約し、人件費を削減し、新たな収益を生む機会を与えることができるのです。

 

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読み手の知りたいこと・関心に向かって資料を作成する

例えば、予算会議資料において、経営者はなぜあなたが作成した資料を読むのか、考えたことはありますか?

経営者は、予算会議の中で月次の経理データ等から会社の課題や機会を発見し、新たな施策を講じていく必要があります。つまり、経営者はあなたが作成した資料の中から会社の課題や機会を探しているのです。

予算会議資料の作成の目的は、経営者へ課題や機会を伝えること(又は、発見しやすくすること)であり、いくら手間暇かけてそれ以外の情報を載せたところで無駄になってしまうことが多いのです。

ビジネス資料の読み手は、明確な目的をもって資料に目を通すことが一般的です。したがって、理想的なビジネス資料とは、読み手の目的や疑問にストレート(端的)に答えとなるものであるといえます。

 

サマリー資料を作成する手間を惜しまない

資料の数が多い会議では、詳細データ資料の他に、会議進行用のサマリー資料を作成することが鉄則です。

例えば、会社の予算決定会議で、Excelで作成した年度予算資料、事業別予算資料、設備投資計画、借入計画などのデータ資料(Excel等)が配られたとします。もちろん、これらの資料だけで効率的に意思決定できる会社も中にはあるかもしれませんが、これだけでは概要理解、問題点の発見、会議で議論したいことの認識合わせのために無駄な時間がかかってしまいます。

そこで、経理担当者であるあなたが気を利かせて、予算概要、予算策定に当たって重点的に議論したポイント、本会議で議論したいこと等をまとめたサマリー資料を用意してあげるのはどうでしょうか。予算概要を効率的に理解できたり、本当に議論したい部分に多くの時間を割くことができたりして、他の参加者はとても助かると思います。

特に資料やデータの多い会議では、サマリー資料を作成する手間を惜しまないようにしましょう。

 

グラフや表の見やすさにこだわる

「優れた表は説明を必要としない」

筆者がExcelシート作成方法を学んだ書籍に書かれていたことです。
本当に見やすいグラフや表は、言葉での説明を必要とせず、一目見ればそのグラフや表が何を意味するのかが分かるそうです。

グラフや表を作成する際は、データを正しく集計するだけではなく、そこから読み取れることを浮き彫りにすることが重要です。

例えば、

・相手がメッセージを理解しやすいように順序を並び替える
・売上推移グラフの伸びているところに矢印をつける
・円グラフの最も強調したいところだけ色を強調する
・表の中で協調すべきところだけ罫線を強調する
・情報を必要最低限に絞る

などが考えられます。

一般の経理担当者で、グラフや表の見やすさに徹底的にこだわっている人は、そこまで多くないと思います。次に紹介している推薦図書を参考に、見やすいグラフや表を作成するスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

 

推薦図書

山崎康司『入門考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法』ダイヤモンド社

慎泰俊『外資系金融のExcel作成術 表の見せ方&財務モデルの組み方』東洋経済新報社

 

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経費精算システム「楽楽精算」
● 著者
堀 直之(株式会社もしも 取締役 兼 CFO)

堀 直之(株式会社もしも 取締役 兼 CFO)

2007年4月、大和証券SMBC株式会社(現 大和証券株式会社)に入社し、 IPO・M&A等のアドバイザリーを担当する投資銀行部門にて、 主に製造業セクターの事業法人への財務アドバイザリー業務に携わる。 2012年3月、株式会社アイスタイルに入社し、経理業務のほか、 海外子会社の設立・管理、M&Aその他投資業務、マザーズから東証一部への市場変更等の幅広い業務に携わる。 2013年7月、株式会社もしもに入社し、取締役として主に経営企画・管理部門を統括。



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